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先日、ふとしたことから「森のくまさん」の話になりました。発端は、テレビ番組の番宣で、そんな謎があって、解いてみようといったくだりがあったのを耳にしていたことにありました。 「謎」は、その歌詞に端を発しています。 森のくまさんとは、「♪ある日、森の中~」の歌詞を輪唱で歌うあの歌のことですが、歌の中でくまさんがとっても不可解な行動をとっているというのである。 私が遭遇した「森のくまさん」の謎についてのページの中には、あまりにも力が入りすぎているものがあり、一通り苦笑させていただきました。 森のくまさんの謎 http://www1.odn.ne.jp/mushimaru/bakaessay/bear.htm まあ、こちらはナンセンスであるとしても、ほかにも同様の疑問への推理をしている人がいらっしゃいます。 森のくまさんの謎 http://www2.chokai.ne.jp/~assoonas/UC111.HTML 番宣があった番組では、いったいこの歌の真意はなんだったのか、を追跡していたようです。 番組は、テレビ東京系の「そこんトコロ抜き打ちテスト」で、バックナンバーページに、質問と回答が掲載されています。
http://www.tv-tokyo.co.jp/sokontokoro/back/ 質問:童謡「森のくまさん」のくまさんは、どうして「お嬢さん、お逃げなさい」と言うの? 回答:「森のくまさん」はもともとアメリカ民謡。アメリカの歌詞では、熊に追いかけられて食べられてしまったり、熊を敷物にしてしまったりと結構ショッキングな内容。日本語の歌詞を作った作家の馬場祥弘さんによれば、争いを好まない自分の性格から、熊がお嬢さんに気を遣って「この暗い森からお逃げなさい」と言う内容になったのだとか。
そこで、実際の歌詞がどんなものだったのかを探ってみました。 <そもそも何の歌?> もともとは学校の先生が授業や野外でのイベントなどのときに、小さな子供たちと一緒に歌っているもののようです。 The Tearcher’s guide http://www.theteachersguide.com/Songs/bearthe_other_day.htm ここで紹介されている「The Bear」の歌詞は、日本語の歌詞とほとんど同じです。括弧書きのところも、ちょうど輪唱するようになっています。歌詞は、ずいぶんと先まであるのですが、くまに追いかけられた後、最後には木の枝につかまることができて、おしまいおしまい、となっており、いまいちよくわからない結末となっていました。ここでも、ショッキングな内容にならないように考慮された、と考えられます。 さらに探して、たどり着きました。前出の馬場さんが「オリジナル」とした歌詞は、おそらくこちらのものでしょう。
森のくまさん http://www.sound.jp/childrensongworld/bearsong.htm I heard a crack (I heard a crack), I heard a crunch (I heard a crunch), And I became (And I became), That big bear’s lunch (That big bear’s lunch). I heard a crack I heard a crunch, And I became that big bear’s lunch.
「大きなくまのランチになっちゃった」というオチなのです。 しかも、この歌は、まだ続きがあります。
The moral of (The moral of), The story be (The story be), Don’t meet a bear (Don’t meet a bear), Without a tree (Without a tree). The moral of the story be, Don’t meet a bear without a tree.
「この歌の教訓は、木のないところでくまに出会わないように」だそうな。
この「森のくまさん」追跡のなかで、さらにもとになったといわれている曲がありました。 「Sippin’ Cider Through a Straw」です。こちらのサイトで紹介されていました。 http://momo-mid.com/mu_title/morino_kumasan.htm もちろん歌詞も違うのですが、どうやら微妙にメロディーラインも違っているようです。 楽譜と音源を提供しているサイトがありました。 http://sniff.numachi.com/~rickheit/dtrad/pages/tiSIPCIDER;ttSIPCIDER.html 曲のルーツを探るのはとても興味深いです。「森のくまさん」は、子供向けのゲームを兼ねたところから、さまざまなアレンジやバージョンができたんだと思います。