[`evernote` not found]
LINEで送る

古来より打楽器はさまざまな目的で使われていたようですが、その多くは「情報伝達手段」として、その音を遠くへ響かせていたとのこと。遠く離れていくに従って特に低音域の音が残って聞こえていくことから、低い音のほうが高い音よりも響きやすいと言えます。

それを実感した出来事がありました。

先日、防音設備はないけれど、一応音を出してもよい場所(お店)にカホンという打楽器を持ち込んで、叩かせてもらっていました。このカホンは、言ってみれば高さ60センチ程度の木の箱でして、その上に座って前面を中心に手で叩いて音を出す楽器なのですが、叩いている自分にはそれほど大きな音には聞こえないのです。なのでダイナミクス(音量)は、手を振りかざす量や叩くスピードでコントロールするのを、多くは自分の感覚で行なうことになるのですが、mf(メゾフォルテ)の気持ちで叩いていると、外で確認していた店主が慌てて戻ってきて、「その低音がめちゃくちゃ響いている」とのこと。お隣のお店に入って聞いてみると、低音のドンドンという音だけがばっちり聞こえているということでした。逆にスネアの高音はほとんど聞こえない、と。

箱の中にタオルなどを入れてみたり、楽器を持ち運ぶのに使っているケースを打面以外に被せてみたりと、いろいろトライしてみたのですが、いっこうにその低音の響きは収まらないのでした。打楽器の、特に低音の威力を再認識せずにはいられませんでした。

椅子の上に置いて、自分自身は立って叩く、というスタイルにすると、この低音の響きはなんとか収まることがわかりました。しかし、これだと安定して演奏ができません。というわけで編み出した奏法がコレ。

底面を片方の足(私の場合は左)の太ももにのせ、そのまま逆の足のももの上にカホンの側面をのせて、斜めにして両手で抱えています。左手を主にベース(楽器の中央付近を叩くことで低音が出ます。ドラムセットのバスドラムのような使い方です。)に、右手をスネア(楽器打面の上部、ほぼ縁に近いところ。)を叩く奏法でやってみることにしました。

ブラシもレギュラーグリップで持つとちょうど上手く演奏できました。