相方さんの母方の実家が石川県で、毎年冬になると、おいしい魚の塩茹でを送っていただいているのですが、今年はそれに加えて、蟹も一緒にお願いしました。とにかく、すごくおいしくて、昨年の冬にお願いしようとしたら、水揚げできる期間が決まっており、すでにその時期が終わってしまっていたので、今年に持ち越しとなっていたのです。
今シーズンは、忘れず12月のうちに蟹もちゃんとお願いして、ばっちり配達されました。(水揚げ期間は11月から1月上旬までとのこと)
この蟹、香箱ガニというそうで、私は聞くのも見るのも初めてでした。調べると、ズワイガニのメスで、あの大きな体つきとはうってかわって、かなり小柄です。名前も、エリアによってまちまちで、せいこガニ、こっぺガニなどと呼ばれるようですが、いずれもズワイガニのメスのことを指していました。
甲羅部分も二廻りくらい違いますが、ハサミや足もかなり華奢です。
その代わり、外子と呼ばれる卵と、内子と呼ばれるいわゆる蟹味噌の中に混じっている卵巣部分が特徴です。
外子は、褌(フンドシ)と呼ばれる下っ腹のカバーのようなところの内側にびっしりとくっついています。
正面からみた香箱ガニ。上下逆さまですが、ちょっとグロテスクだけど繊細な作りになっています。
外子、内子、蟹味噌、そして腹や足にも身があるのでそれをほぐして、蟹味噌が入っていた甲羅の中にのせて、そのまままたはポン酢などをかけていただきます。今まで食べたことのある、あのほわんとした蟹の身や、磯味が凝縮した蟹味噌とはずいぶんと味が異なると思います。小さい分、うまみが凝縮されている、という感じでしょうか。
そして、日本酒が本当によく合います。昨年秋の退職時に、お知り合いの方からいただいた真澄という日本酒と一緒にいただいたのですが、相乗効果ですばらしい食事になりました。
香箱ガニ、来年、再来年あたりから、お取り寄せなどでブームになるような気がしています。
それにしても、まだまだ知らない食材や料理が、日本中にありそうです。季節の味覚、その土地ならではの食材や調理法など、身近なぜいたくに、これからも目を光らせていきます。
ピンバック: Toshi Oshio