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週末に、思い立って映画館に飛び込み、「チャーリーとチョコレート工場」を観てきました。 その前の週末に大阪へ出張していて、そこで観ようと思って映画館にいったら、すでに立ち見になってしまっており、あきらめていたのですが、意外と早くリベンジすることに。 原作を読まずに、映画を観て、昨日本屋さんでぱらぱらと立ち読みをしてきました。 もし原作を先に読んでて、あの本の世界を映像で観てみたい!と思っている方は、もしかしたらイメージと違うかもしれません。むしろそこがティムバートン作品らしさなのかもしれません。 原作から映画にするときの大きな飛躍は、文章で書かれているものを「立体化する」ことと、「音を加える」ことだと思いますが、「チャーリーとチョコレート工場」では後者の「音」のほうに惹かれました。 少し前に主演のジョニーデップが来日し、いろんなエンタメ系番組のインタビューに答えていましたが、エピソードのひとつに、ウィリーウォンカ(チョコレート工場のオーナー)の声をどんな風にするのかを考えていて、自分の娘さんに試しに聞かせて気に入ってくれたので、そのときの声で演じてる、というのがありました。 声によるその人の印象は、声色、話すスピード、音の高低などさまざまな要素で作られていくと思います。原作(日本語訳)を立ち読み程度で読んだだけの印象ですが、ウィリーウォンカはそれほど奇人として描かれていないように見えたのが意外で、ジョニーデップが演じていた声のイメージは、どこから来たのかがちょっとしっくり結びつかないのでした。ただ、映画の中でのウィリーウォンカ像とのマッチングは、よかったと思います。特に、顔のアップとともに話すシーンが結構あるのですが、その表情も加わって、不思議なキャラクターをギュッと詰め込んだ、映画の魅力の一つになっていると思いました。 予告の中にティムバートンの新作「コープスブライド」があり、「ナイトメアビフォークリスマス」のようなクレイメーション(公式サイトにはストップ・モーションアニメとなっていました)のような映画がやってきますが、いずれもダニーエルフマンが音楽を担当しています。私は「ナイトメアビフォークリスマス」で初めてダニーエルフマンという名前を意識したのですが、ティムバートン作品の多くの音楽を担当していました。いろんなタイプの映画に携わっておられます。すごいです。
Danny Elfman (ダニー・エルフマン) http://movie.goo.ne.jp/cast/9073/
「チャーリーとチョコレート工場」の音楽で楽しめたのは、5人の子供たちそれぞれにテーマソングがあり、音楽のジャンルがそれぞれ違えて作られていたことでした。一番おかしかったのは、大富豪の娘でわがまま放題の女の子の曲で、ABBAを連想させるノルウェー・ポップス調の曲でした。あのさわやかなメロディーとコーラスの上に、わがまま放題ぶりをけなす歌詞が並べ立てられ、そのギャップが心地よいのでした。偶然なのか意識的なのか、原作のロアルドダール氏は、ノルウェー系イギリス人でした。 映画全体を通して、ちょっと言葉遣いがきついのが気になります。そういう意味では、あまり子供向けではないのかもしれません。翻訳の段階でもうちょっと柔らかく表現してもいいのでは、と思いつつ、ティムバートンらしさ、ということでもあるのだと思います。 「チャーリーとチョコレート工場」—最初から最後まで、映像も音楽も楽しめる、何度でもみたくなる映画です。事実、ひとりで先に観てしまったことを知って、パートナーをかなりがっかりさせたらしく、もう一度近いうちに一緒に観に行くことになりました。 –追記– サントラを購入しようと思ってアマゾンで探してみました。輸入版だとすぐに手に入りそうです。 【輸入版】 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0009T2S0W/250-5586613-5398665 【日本版】 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000A0YA9M/250-5586613-5398665 それにしても、輸入版と日本版がこれだけ違うデザインになっているジャケットも珍しいかもしれない。