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先月、知人が出演しているミュージカルを松本で観たときに、マーチングイベントのチラシに遭遇し、気になっていたのですが、前日から現地入りができそうなスケジュールが取れたこともあり、勇んで行ってきました。2006年6月25日です。 ホール入り口のポスター
松本シティマーチングバンド20周年記念イベントとなっている「バンドパフォーマンス2006」は、松本市民芸術館の大ホールで行われました。大ホールにははじめて入ったのですが、天井がとてもたかく、客席も4階席まであります。ヨーロッパの劇場のような雰囲気で、はじめ4階まであがったのですが、かなり高いところから見下ろすようになっていました。開演まで10分強前にはいったので、すでに1階席、2階席は満席状態でしたので、4階席まであがったのですが、私が高いところが苦手なことと、上からみると1階席の空席部分がよく見えて、開演までにあわてて1階席へ移動しました。長野にいる学生時代からの友人と私の母の3人だったのですが、空席へばらばらにに座ることになりました。 今回のイベントは、松本シティーマーチングバンド、仙台から来たMシティーマーチングバンド「楽人」、今回のイベントのために地元松本市の小学校7校の6年生による合同バンド「セブンレインボー」、フュージョンバンド「ランダムソウト」の4つのグループが参加していました。途中に休憩をはさんだ2部構成ですが、その内容の充実ぶりは、マーチングだけのコンサートとは思えないほどでした。 <1部> 1.松本シティーマーチングバンド(MCMB) ・SYMPHONY NO.5 FINALE(立奏) ・ピアノソナタ悲愴(木管アンサンブル) ・カラーガードショー ・SINFONIETTA 第一楽章(金管アンサンブル+ティンパニ) ショスタコービッチの「革命」の最終楽章です。これ、葛飾で昨年末にお手伝いで出たステージマーチングショーのクローザーでしたので、なつかしく聴いていました。全体的に遅めのテンポだったこともあったのか、小さくまとまっている演奏に聞こえたのがちょっと残念でした。 シンフォニエッタは、テンポが変わるのと各パートが絶妙に絡み合うところが、とても聴きばえのする演奏でした。各パートのバランスもよかったと思いました。 2.Mシティーマーチングバンド「楽人」 ・ミュージカル「オペラ座の怪人」より 相当多くのバンドが使ってショーを作っている「オペラ座の怪人」をどのように組み立てるのかがとても興味があったのですが、ある意味うまく裏切られたというか、珍しい構成だったように思います。アレンジや演出、よかったです。大きなプロップ(可動式の大きな柱x6本くらい)をフロア上に点在させ、後ろに隠れたり出てきたりなど、ステージマーチングの魅力たっぷりでした。舞台奥には、大きな階段と階段上から横に広がるバルコニーがあり、『マスカレード』などで効果的に使われていました。 演奏は上品というかよくまとまった、いい演奏でした。動きのほうは、基本動作をもう少し合うようにするといいと思います。1階席の割と前のほうにいたので足元はあまり見えてませんでしたが、上半身の動きで、ピボット系の動きのときのタイミングがかなり乱れていました。次のショーのときには、このあたりもびしっとそろっているとすばらしいショーになると思います。 3.マーチングバンド3団体合同 ・ガードオンステージ ・ブラスロック~チェイス OPEN UP WIDE/HANDBAGS AND GLADRAGS/GET IT ON ・誰も寝てはならぬ(「トゥーランドット」より) ・PECORINIGHT ブラスロックのあたりから、金管メンバーに火がつき始めたようです。全体的にとてもいい音してます。ドラムコーではなくマーチングバンドという吹奏楽系の楽器の音のよさが出ていました。マーチングとしての動きはなく、振り付けなどのアクション付き演奏で、最後のPECORINIGHTでは、1階席通路に管楽器メンバーが下りてきて、楽しそうに演奏してくれました。 さて、ここでやっと休憩です。かなりの熱演なので、ここで終わりを言われても違和感がないほどでした。 <2部> 4.MCMB20年の歩み ・ディズニーメドレー~木曾節~マンハッタンビーチ~ドッキンアラウンド ・KILLER JOE うーん、20周年記念のコンサートなので、こういう企画は必要なんだと思いますが、明らかに練習不足なのが見え隠れするショーでした。KILLER JOEは、コンダクターをはじめとしたメンバー全体の楽しい雰囲気が伝わる好演ではありました。 5.ランダムソウト&MCMB コラボレーション ・LET THE GOOD TIMES ROLL ・SCARBOROUGH FAIR ・ガード オン ステージ ・SWEET GEORGIA BROWN ・CHAMELEON この企画もきっと何かの縁で実現したのだと思いますが、フュージョンバンドとの組み合わせのよさがあまり伝わらなかったようの感じます。 2曲目のスカボロフェアーは、アレンジが秀逸でした。このアレンジ、どこかで利いたような気もするので市販されているものかもしれませんが、MCMBによくあった選曲&アレンジなんだと思います。 6.セブンレインボーズ ・ミュージカル「オズの魔法使い」より これ、本当に小学生6年生?と思わせる、とても完成度の高いショーでした。松本の吹奏楽、マーチングの層の厚さを感じずにはいられません。驚きでした。打楽器はより高度な技術が要求されると思うので、これからもどんどん伸びていくんだろうと思います。管楽器はかなりしっかりした音が出ているように思いました。 カラーガードは、みんなステージに慣れているというか、「魅せる」ということをステージ上でできるのがすごいです。魔女役のガードの子が光っていました。目を奪われてしまう演技でした。ドロシー、ブリキ、ライオンの子もよかったです。 7.MCMB ・ミュージカル「ジキルとハイド」より ジキルとハイドは、創価ルネッサンスバンガードジュニアが最近ショーでやっていたこともあり、とても耳になじんだショーでした。ストーリーに基づいた演出が凝っており、見(魅)せる「ショー」ということへのこだわりを感じます。演奏が安定しており、ソロやTUTTIでの音の美しさから、MCMBのレベルの高さを認識するショーでした。 これだけのショーを組み立てるのに、メンバーの練習への取り組みや各自の個人練習、そしてスタッフの方の多大な尽力によるものであるに違いありません。 打楽器は、バッテリーメンバーが少ないのが気になりました。管楽器があれだけ音がでるので、それに見合う演奏が必要になりますが、スネア1または2、テナー2または1という編成だったと思います。どうしてもスネアが聞こえないため、音量を要求されていたのだと思いますが、そのため腕の動きが大きすぎてクセのある動きになっていたり、スネア(ガット)の音がつぶれ気味だったりしていたと思います。ピットメンバーは充実しているので、さらに2~3名がバッテリーに加わるといいなと思いました。 カラーガードは、身のこなしとフラッグさばきがよかったです。とくに2名の女性は、その動きのきれいさでとても目を引く演技でした。フラッグはトスが苦手のようで、あまり見られなかったのと、高さと回転がもっと合うようになるとよいと思います。途中、他のパートメンバーによるガードショーがありましたが、ピットの方のガードの演技がピカ一でした。バレエなど舞踏系の何かを以前されていたのかなと想像してました。 以前、長野県でのマーチング関連の情報を探していたときには、バンドの存在を見つけられず、聞くところによるとマーチング過疎地らしいという思い込みもあって、このMCMBの存在は本当に驚きでした。 今後の活動に大期待ですし、ぜひ一度練習見学にお邪魔したいと思っているところです。 以下、追記です。(2006/7/6) ホール入り口前にあるロビーにて、過去に使ったと思われる衣装が展示してありました。 活動の歴史を感じることができますし、マーチング関係者にとっては参考になるもので、いい企画だと思いました。 画像はちょっと逆光でホワイトバランスがうまくできてないのですが、せっかくなのでUPします。 歴代コスチュームたち