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日本には本当にたくさんの検定試験がありますが、マーチング界においても、いろんなのがあるようです。プレイヤーとしての検定では、歩き方やカラーガードの演技、打楽器の演技などがあり、指導者やバンドリーダー、ドリルデザインなどを対象とした検定もあるそうです。 検定資格は、指導員1級、技能検定2級といった級があるのですが、多くの場合は資格取得のためのペーパー試験と実技試験で判定されます。試験は、合宿形式で講義・講習とともに最後のセッションで実施されます。 私は大学のバンドでマーチングに出会い、卒業後はやはり大学バンドの流れをくんだ一般バンドにて活動してきたので、一般的なマーチング技術を専門家から指導される経験がありませんでした。今はバンドに所属せず、活動してないのですが、将来的には地域のバンドや中学・高校バンドのお手伝いができればと思っていて、指導者関連のイベントなどに参加しながら、縁を作っていきたいと思っていたのでした。今回の検定講習で、指導員の先生方と直接お話できる機会が持てると考えてました。 もうひとつ、私が打楽器プレイヤーだったので、通常のプレイヤーとは異なるスタイルでの基本動作を見につけてしまっていることも、講習を受けて検定にトライしようと思った理由でした。他のプレイヤーと同じように動きのある打楽器(バッテリーパーカッション)は、キャリア(またはハーネス)と呼ばれるものを体に担いで楽器を体に固定させるのですが、足があまり高く上がらなかったり、体をひねって演奏したりすることができないため、左右への動きなどは、蟹のように歩いたりするのです。管楽器の場合は、上半身は客席に向けたまま腰から下を進行方向にむけてマーチすることができるので、より豊かな表現ができます。その分、歩く動作の基本的な技術が要求されるのでした。 講習および検定では、自分の楽器を持って行うのですが、管楽器としての動きをするために、友人の伝でトランペットをお借りして臨みました。 さて、会場となった体育館に到着し、受付を済ませて入っていくと、いるわいるわ、小・中・高校生たち。昨年受講した友人から、受講生の年代構成は聞いていたのですが、その中に混じると、はやりとても不思議な感覚です。 私は今回MM(Marching and Maneuver)2級というのを受講しましたが、44名の受講生のうち、大学生以上は私だけでした。4人1組でグループわけをされ、5メートルのポイント間に4人1列に並んで隊列(スカードといいます)を作るのですが、他の3人は小学生でした。よって、体格がかなり違います。私よりは他の3人のほうが、どう接していいかわからないだろうし、同じ動きをするには私の数倍の量を動くはずなので、大変だったと思います。 私が受けた2級では、4人一組の隊列で決められた動きを2タイプ・5パターンの実技と、基本用語などの筆記テストが検定として行われます。初日の最後に1タイプ・3パターンの実技の検定があり、その日はひたすらその動きの練習でした。直線の隊列をのままいろんな方向に歩きつつ向きを10m四方の中で動くのですが、テンポを3段階にわけてそれぞれパフォーマンスを行うというものでした。遅いテンポではバランスの良さと安定感を、速いスピードでは足運びと体のこなしのキレが要求されます。 講習中では、4名x11グループがいっせいに動くわけですが、10名以下のドラムラインでの動きしかしてこなかった私にとっては、とても新鮮なものでした。全体が見えているわけではないのですが、これまでのバンド生活の中では前に立ってメンバーをみていることが多かったこともあり、どんな風に見えているのかは想像がつきます。自分や自分のスカードがどのように見えているのかを感じながら、とてもわくわくしていました。 検定講習:カラーガードたち MM検定講習:プレイヤーたち練習中
2日目は、体育館から離れた小学校のグランドでの講習となりました。バスで移動し、音楽室にてまずは筆記テストです。かろうじて1セットだけ、大人でも座れる机といすがありました。その後、2タイプめの2つのパターンをひたすら練習し、お昼をはさんで午後にこれらの動きの検定がありました。 途中、昼食時には小学校のパソコン教室が利用可能になり、冷房が効いていたこともあって、講師やお世話役の指導員さんとご一緒し、ちょこっと雑談などができました。初め、私のことを引率の先生だと思っておられた方もいらっしゃったようです。(無理もないです。) やはり不思議な存在のはずなので、簡単に受講の経緯をお話していたのですが、ある方が、同じスカードの3人の小学生が、今回の講習で一番得しているはず、とおっしゃっていました。聞くと、一応私がそれなりに動けていて、体格があるために歩幅がきついところも軽くこなせてしまうので、それに他の3人が引っ張られる形で、全体的に安定して見えているということでした。 午後の検定も無事終わり、体育館に戻ってしばらくしてから、合否の発表です。中・高校生は意外と筆記がよろしくない人が結構いたようで、受かるかどうかにかなり影響があったみたいです。そんな中で、私と一緒だった3人の小学生は、全員合格していました。私も大丈夫でしたので、このグループは全員パスしたことになります。よかったよかった。 8月に別の組織団体の検定が、12月には指導者向けの検定があるそうで、時間が許せばまた参加してみようかと思っています。 もうひとつ、これがきっかけというわけではないのですが、元いたバンドの12月のコンサートで、1曲ドリルデザインを描くことになりそうです。今回の検定での動きの快感で、また新しいエネルギーをもらったので、楽しく取り組めそうです。