2年前の公演のとき、そのプログラム内容、演技もさることながら、音楽としての完成度の高さにとても感動していました。
Blast!と比べると、ドラムコーのスタイルの色は薄くなり、音楽的にも木管楽器が加わることによって、より深みのある、さらに表現豊かな演奏と演技で、すばらしいステージだと感じていました。
今年の再来日では、メンバーの入れ替えも一部あり、特にソリストが代わったこともあって、プログラムも一部変更になっていました。残念だったのは、前回のレパートリーで好きだったストラビンスキーの「春の祭典(The rite of Spring)」とロドリーゴの「アランフェス協奏曲(Concierto De Aranjuez)」が演目からなくなっていたことでした。オリジナルの音楽も、Blast2のアレンジと演出もすごく好きだったので、ライブで見られなくなったのはとても残念です。
これらの代わりに入ったのは「禿山の一夜(Night on BaldMountain)」「タンゴ(Tango)」でした。禿山の一夜は、ブラスの響きが前面に出るアグレッシブなセクションと、木管楽器のハーモニーが美しいセクションとがうまく折り合い、ドリルもスカード(隊列)での動きも、シンプルな動きの分だけメリハリがあり、音楽ともよく合った、力強いものに感じました。
第2部でも、一部レパートリーの入れ替えがあり、新たに入った「Open Wide」は、Blast!の「 Land of Make Believe」のような、ラテンの楽しいリズムとキャストが客席通路に展開した演奏で、より会場が一体となる演出となっていました。
振り返ると、今回のBlast2Mixは、木管・金管・打楽器のさらなるアンサンブルの美しさとドリルの力強さで、よりパワーアップしたショーだったと思います。
もちろん、ソロプレイヤーの演技もすばらしいものでした。前回も出演していたFlute&Tubaのジェイソンには、最初から最後まで目も耳も釘付けになります。
さらにバトントワラーの本庄さんの演技は、舞台でとても映えていて、バトンの技術だけでなく、ステージ上のストーリーにすっと溶け込みつつも、その存在感は強烈でした。
実は、今年のBlast2Mixは、パスするつもりでいました。Adamが出ないということ、レパートリーがきっと同じだと思い込んでいたことなどが理由ですが、ひょんなことで観覧でき、しかもバックステージツアーやショーの後の立食パーティでキャストにもお会いできることとなり、そしてレベルアップしたショーも観ることができました。やはり、Blastとはご縁があるのだと思っています。なにか直接関わることができるのなら本当にすばらしいのですが、ひとまずは大ファンとして、今後も応援しています。