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さまざまなオリジナルプロダクションに挑戦しているCrazy Angels、今年はバレエ音楽「Swan Lake(白鳥の湖)」をモチーフに、舞台上に演技と音楽で物語を創り上げました。 2日間4公演で、2日目午後の公演を観てまいりました。サウンドシアターシリーズとして、正義と悪の間の戦いを描いたものです。白鳥の湖のストーリーに沿って物語が進むのですが、殺陣を含む演技はこれまでのプロダクションに増して素晴らしいものでした。照明や衣装などもとてもよくできており、ヨーロッパ系の民族衣装と舞踏は、物語の世界が目に見えるようにしてくれていました。 音楽はオリジナルで構成されており、シンセサイザーを中心にブラス楽器と打楽器で奏でています。ステージマーチングショーが一連のプロダクションの起点となっていると思いますが、少しずつその色が薄くなりつつあるように思います。今回はサウンドシアターとして、ストーリーと演技をメインとしているので当然の流れかもしれません。それでもブラスプレイヤーやビジュアルアンサンブルをメインとしたレパートリーもあり、ドリルやコリオグラフィーが織り込まれてました。 いくつか気になったポイントや気づきをメモしておきます。
ピッコロ ステージの後方に雛段を設けて薄いカーテンをかけてあり、そこにシンセサイザーや打楽器、その他の演奏キャストが入ってレパートリーを演奏していました。舞台上に現れて演奏するメンバーはそこから舞台袖に移動して入ってきて、終わったら戻っていたと思います。 マーチング、とくにステージマーチングではスペースの関係もあってフルートを使わずにピッコロを使うのですが、どうしても強い発音と高音域となってしまいます。 今回のステージでは、舞台奥でドリルをしない場合が多かったはずなので、動きのないところの高音域パートは、フルートを使っているとよりよいサウンドになったのではと思いました。 バイオリン バイオリンのゲストプレイヤーがいらっしゃっていましたが、ずっと舞台後方の見えないところで演奏されていました。 途中のバースデーパーティのシーンで、民族舞踊の場面があるのですが、ここではバイオリンの音色がとてもよく合っていたので、ぜひステージ上の見えるところで演奏されているとより見栄えがよかったのではと思います。ゲストプレイヤーさんなので、リハーサルの関係でずっとバックステージだったのだと思いますが、演出上はきっと効果があったのではと思います。 字幕 ステージ上部にプロジェクター用のスクリーンが吊るされ、物語のナレーションが投影されていました。ここの日本語の表記で、漢字とひらがなの使い方、言い回しなどでひっかかるところがいくつかありました。 表示のされ方が一行ずつ上からのワイプインだったのですが、ステージのあまり合わないように感じていました。一緒に観ていた友人が「ゲームの表示と似てますね。」と言っているのを聞いて、きっとそのせいではと思います。少し間延びする感じだったのと、軽い見え方だったのが、ステージ上で繰り広げられる演奏・演技と合わないのだと思います。 立ち姿 今回のプロダクションは、いままで以上にキャストの演技に磨きがかかり、物語をつくりあげ盛り上げていたと思います。とても見ごたえのあるステージでした。ただ、動きのない演技、ただ立っているだけのときに、力強さというかステージの情景の中にはまらずに、そこだけ「ただの人」に見えることがよくありました。 逆に、プロの俳優さんたちは、立っているだけで演技をしていて、それが自然に見えるのだと思います。今後もサウンドシアターを作っていく際に、動きのないところの演技までも表現できるようになると、本当に素晴らしいショーになると思います。 音楽 一部チャイコフスキーのオリジナルがモチーフに入っていますが、ほぼオリジナルの曲がショー全体を通して演奏されていましたが、どれも素晴らしいものでした。それぞれに情景にあわせて、ステージ上の世界を作り出すのに、キャスト、照明以上に今回の音楽が大きな役割を果たしていたと思います。 シンセサイザーが中心になって演奏されていたのですが、個人的にはブラスや木管楽器、打楽器などを全面に出ているのが好きです。シンセサイザーの音とブラスや木管楽器の音をブレンドさせるのはきっと難しいんだと思いますが、なにか新しいものが生まれるといいなと思いました。
次は2009年春に雅咆を予定されているそうです。吉祥寺の劇場にて暴れまくることでしょう。素晴らしいプロダクションを楽しみにしています。詳しくは公式サイトをご覧ください! the CRAZY ANGEL COMPANY 公式サイト http://www.crazy-angel.com/