劇団四季によるブロードウェイミュージカルの日本語版「春のめざめ」を観劇してきました。日本語による歌詞・台詞のプロダクションです。
音楽は、ステージ上にピアノ、ギター、チェロ、ドラムなどの生演奏に加え、半分くらいは録音音源を使用していたのではと思います。
テーマは、思春期の男女が直面する苦悩で、主人公を中心に、異性への関心、教師や両親、社会システムとの確執、友人の死などを通して、大人になるための強さを自分の中に築いていくところを描いています。舞台は19世紀末のドイツの片田舎という設定です。
このミュージカルを知ったきっかけは、別のミュージカル「RENT」が好きで、そのRENTを通じて知り合ったRENTファンの口から「Spring Awakeningがすごいらしい」というのを聞いたことでした。「音楽がすごくいい。」とのことで、一度オープニングの曲「Mamma Who Bore M」をiPodで聞かせてもらったことがあり、確かにザワザワしてくる音楽だったのを覚えていました。
ネット上の動画や、昨年の公演のプロモーション映像で見たステージのいくつかのシーンは斬新で、マイクを持ってぴょんぴょん跳ねたり、ヘッドバンギングしているのが印象的でした。
そう、確か昨年の今頃に劇団四季の「春のめざめ」が公演されていて、気になりながら、いつ観にいこうかと話しているうちに、いつの間にか終わっていて、びっくりしたのでした。人気のプロダクションだと思っていたからです。ただ、テーマが結構重かったり、舞台上の演出もそれなりにショッキングだと聞いていたので、そのせいかもしれないと思いつつ、日本で見れないなら、アメリカのツアーを追いかけるのかなぁと思っていたところ、今年も短期間だけど劇団四季の公演があると聞き、今日ようやく観ることができました。
結局、事前にはほどんど予習せず、大体のストーリーとプロモーションで聞いた一部の音楽をなんとなく知っている、という程度で、自由劇場に入りました。
インターミッションをはさんで、第一部も第二部もすごいスピードで進み、次々と衝撃的なストーリーが展開していきます。一方で、全体を通して歌われる曲は、激しいものもあるけれど、総じて繊細な歌詞とメロディー、コーラスが劇場を満たしていました。無駄なく次々と進むけれど、せかせかした感じや落ち着きがないというのではなく、切ないけれどどこか温かい音楽が流れています。
私が大好きなRENTは、ラ・ボエームというオペラを元に、1990年代のマンハッタンの貧困地区での物語に焼きなおした作品でした。一方、この「Spring Awakening」も100年以上前のドイツの話で、やろうと思えば現代の中高生の話に焼きなおすこともできたのではと思いますが、そうはしませんでした。きっと、描きたかったテーマ自体は、当時も現代も根本は同じで、永遠の課題であることを伝えたかったのかもしれません。
周りの友人たちの下馬評どおり、とても素晴らしい作品でした。こうなると、ブロードウェイツアーの公演も見たくなってしまいます。昨年、劇団四季版を見そびれてしまったので、年末年始にシアトル・ポートランドに行くついでに観れないかと考えてツアースケジュールを調べたのですが、ホリデーシーズンということで公演がなかったのでした。
改めてみてみたのですが、本家サイトを見てもいまいちスケジュールがわからず、今日はフロリダのオーランドでやっていることはわかりました。その他の検索結果にヒットしたチケット販売サイトを見てみたら、すでに来年の5月の公演分まで日程が掲載されていました。さすがにチケットの販売はまだになっていましたが、少なくともあと1年は北米のどこかで観られるということになります。
私が見つけたのは下記のスケジュールでした。
向こうで観られるといいなぁ。
劇団四季「春のめざめ」サイト