先日、音楽つながりの友人、というよりも師匠のお二人に連れられて、ライブに行く機会がありました。このライブには名だたるプレイヤーが出演し、生の演奏を見て聴いてホンモノの音楽を感じる絶好のチャンスになるよ、ということで伺ったのでした。
私のお目当てはもちろん打楽器プレーヤーで、林立夫氏がオリジナルのカホンを持ち込んでの演奏を堪能することとなりました。
ライブの前に、師匠の一人から、ハイハットの使い方とビートの取り方をよく観察しなさい、とアドバイスを頂いていたので、特にビートの取り方のほうに集中していました。曰く、「体の動き方をよく見ておいて。」と。
ずっと見てました。自分が叩いているであろう姿を想像しながら、何が違うのだろうか、と。
通常、楽器を叩いたり歌を歌ったりするとき、拍を意識します。4/4拍子なら1小節に4つの拍があり、その拍の頭をカウントすることで、テンポやリズムパターンを認識し、そこから音楽を作ります。より正確なリズムを生み出すために、さらに半分の長さの音符に切り分けて、8分音符をベースにすることもあります。その場合も、基準は通常4分音符に相当する音符で感じています。
そうすると、たとえば足でリズムを感じたり体で感じているとその拍にあわせて踏み込むような動きになり、上体も前屈みや下方向に少し下がるようになるはずなのですが、師匠の指摘の通り、どうも林氏の場合は逆に上がっているように見えるときがありました。きっとドラムスティックワークのアップストロークのような感じでリズムを取っているのかな、と思ったのですが、むしろ逆に本当にアップストロークなんだとすると、ダウンストロークは半拍前にあることになります。もしかしたら、林氏は意識的なのか無意識なのかは分からないですが、拍の合間、つまりオフビートのタイミングで音楽のリズムやテンポを感じているのかもしれない、と思ったのでした。
そこから、ライブ中はずっとオフビートに拍を感じるようにして、カホンやベース、ギター、ピアノ、そしてボーカルに耳をすませていました。コレをやると、当然曲の作りというか音楽の構成は拍でできているので、その動きで音が聞こえるわけですが、だんだんと1小節単位くらいでの塊に感じるようになってきました。
打楽器を長くやっていると、1小節または2小節単位でのリズムパターンの繰り返しが多いためか、数えなくてもいま何小節進んだのか、このあたりでFill-inが入る、というのを体が勝手に感じるようになります。上記の塊の感じは、それにちょっと似た感覚でした。オフビートを意識しているのに、1小節間の拍がどことなく感じる、というようなものです。
このオフビートでのビートの感じ方というのがちょっと面白い感覚なので、この日以来流れてくる音楽をそういう聴き方にしてみることにしています。
もう一つ始めてみたことは、ジョギングのときの着地タイミングです。週に何回か、簡単なジョギングをするようにしているのですが、コースが遊歩道ということもあってヘッドフォンをして音楽を聴きながら走っています。このジョギングのときに聴いているのがTOTOの”Rosanna”で、この曲のテンポがジョギングのペースととてもよく合うので、この曲のエンドレスリピートをかけています。
この”Rosanna”を聴きながら走るときに左右の足の着地をオフビートにあわせてみることにしました。
Rosannaはシャッフルのリズムなので3連符(または8分音符3つ)の3つめをジョギングのときの着地にするのです。リズムパターンのイメージはこんな感じです。
通常のカウント(拍)の取り方は下の「On Beat」のほうなのですが、再生している曲を聴きながら、上の「Off Beat」の矢印の音符のところで着地をしてジョギングをしています。
もともと、こういうリズムというかアクセントの取り方は、打楽器とくにスティックを使う場合のテクニックに必要になるため、基礎練習に取り込んでいることが多いので、そういう意味での練習にもなっているのですが、もしかしたら私のリズム感覚、グルーヴ感覚を鋭くしてくれるのではと期待しているところです。
さあ、成果はいかに。師匠たちの厳しい指摘と指導がこれから待っています。