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これまでもいくつかのパフォーマンスを観てきた「the Crazy Angels(CA)」のシアターパフォーマンスが、先日両国にある「シアターX(カイ)」にて催されました。今回の公演では、土曜日日曜日にそれぞれ2回ずつの計4回のパフォーマンスがあり、それだけでも驚かされます。 the CRAZY ANGEL COMPANY http://www.crazy-angel.com/ 大学生のときに、中国へ演奏旅行に行ったのですが、そのときは1日1回公演を4回というペースで、それなりにきつかったのを覚えてます。 今回のステージは、2部に分かれていました。それぞれ趣向を変えたものになっており、パンフレットも別々で、第2部のほうは休憩時間中に配布されていました。ちょっとしたこだわりなのかなと思います。 第1部パンフレット
さて、第1部ですが、こちらは名曲をBGMにパフォーマンスを行うというもので、見方によってはサイレントコントという感じでした。音楽がもつテーマや主題とは無縁のストーリーを、出演者の演技やプロップによって表現されていました。 ストーリーは、日常生活の中にある光景を少しデフォルメし、さらにコメディの要素を加えて、クラシカル音楽のメロディとの対比もあり、シュールさやブラックユーモアとして作り上げていました。選曲が先にあったのか、ストーリーが先にあったのか、機会があればメンバーに聞いてみたいと思いますが、想像するにエピソードごとに違うんでしょうね。 公演最後に、代表の方の挨拶があり、「第1部は不条理寸劇を狙ったもので、表現上一部の観客に不快な思いをさせてしまったかもしれない」という言及があったのですが、私個人の感覚、感情としても、やはりやりすぎというか、もう少し別の手段での表現があったのではと感じていました。印象的なものでは、父、母、娘が3人で食事をしているが、両親がすごい形相で納豆を混ぜ、娘は冷静に自分のペースで、何事もなかったように食事をしているというものと、最後の赤ん坊(の人形)をもった出演者20名ほどが、ステージドリルをおこなうものです。観る人によっては、子供の孤立化や親子間の不和、乳幼児の虐待を感じてしまうこともあるのではと思いつつ、同じ効果をねらった別の表現方法を模索してもよかったのではと感じています。 また、やはり笑いの文化に東西の差があるのかもしれません。一緒に観ていた東京生まれ&育ちの友人は、十分楽しんでいました。 第2部パンフレット
第1部終了後の休憩中に、前述のように第2部のパンフレットが配布されました。「雅咆(ガホウ)」と名づけられた第2部は、日本の伝統音楽からイメージしたオリジナル曲で構成され、音は吹奏楽で使われる楽器を中心に、シンセサイザー、エレキベース、民族打楽器なども加わり、日本の祭りや土俗的な音楽を作り上げていました。この音楽に、フラッグ、長短の棒、先にリボンがついた縄(ほら、江戸時代の大道芸人が使っていたとされるやつです)などの手具や全身で表現する踊りで、ダイナミックなステージとなっていました。 このステージは、まさにCAの本領発揮でした。いつも彼らに驚かされるのは、すべての出演者がマルチプレイヤーであることです。私の知人がメンバーにいますが、管楽器のほかにフラッグ、ダンスを数曲をこなしたり、ダンスの振り(カリオグラフィー)を付けていたり。異なる楽器や手具を持ち替えてパフォーマンスするのは、自分の経験を振り返っても、とても多くの練習量と大きな精神的負荷がかかるものです。自分たちでプログラムを構成し、曲を作ったりアレンジして、さらに演奏・演技の練習をするわけですが、こんな素敵なステージを作って演じてしまうCAのみなさんは、全員が舞台上でキラキラと輝いていました。 また、これもご紹介せずにはいられません。メンバーの一人が、日本の口笛吹きの大会にて優勝されたのでした。この第2部で、彼の出番が何度かあり、日本一の口笛を聞かせていただいました。たしかに、普通の人の口笛の音色とは違うのです。太い音、といえるでしょうか。来年の4月に、アメリカで行われる世界コンテストに日本代表として参戦されるとのこと、活躍に期待です。がんばってください。 さて、CAの活動はこうしたステージパフォーマンスだけではなく、ワークショップといって、一般の参加者とともに楽器演奏やダンスを1日または2日使って楽しみ、ショー作りをする、ということもやっています。私は参加したことがないのですが、多くの参加者が楽しんでいる様子が、ウェブサイトでも紹介されています。次回は○月○日に予定されているとのことでした。 こうしたステージやワークショップを通じて、マーチングを知ったり、始めてみる方が増えていくとうれしいなと思います。