RENTにちゃんと出会ったのは昨年の今頃で、友人に「とてもよい」と聞き、あわてて映画を見に行ったのが発端でした。
音楽とストーリーにとても惹かれて、サントラや劇場録音などを手に入れ、何度も聴きかえすようになり、歌う会イベントに参加したり、日本ツアーを見に行ったりと、この1年はRENT漬けたったと言えます。 当然、ニューヨーク・ブロードウェイでRENTを観たいという気持ちに駆られていたわけですが、4月上旬にオハイオ州で開催されるマーチングイベントがいつもより後ろになったことからその観戦旅行を決め、その日程にニューヨーク訪問を加えることにしました。
オハイオ州からニューヨークに着いたその日は、近年まれに見る記録的な大雨となり、早朝フライトだったからなんとか予定通りにNewarkについて、お昼前には宿泊先にたどり着き、あまり休む暇もなく、タイムズスクエアに向かいました。TKTSにて、無事RENTの当日公演を取ることができ、ずぶぬれになりながらネダーランダー劇場(Nederlander Theatre)に到着しました。
思っていたよりも大きな劇場で、横に広い座席配置になっており、2階下手側の席に座っていると、予定時間から少し遅れてキャストが舞台に飛び出してきました。
ここからは、もう一気にIntermissionまで、聞き尽くした曲が次々と歌われ、舞台上ではあの限られた空間とセットの中で、ストーリーが大河のようにゆっくりかつ力強く流れていきます。 RogerとMimiの歌声が特に素晴らしく、声質も歌いっぷりもゾクゾクするものでした。演技・パフォーマンスではMaureenとAngelがとてもシャープで見ごたえありでした。ダンスの要素はもともと少ないミュージカルだと思いますが、La Vie Bohemeのシーンは、芸術家たちのエネルギーあふれる想いがつまったシーンで、多数のキャストによるパフォーマンスは圧巻でした。もちろんMaureenによるmooningもばっちりありました。
やはり、これまでに見たRENTで一番しっくりくるというか、音楽と舞台がキャストによってぴったりと一体化した、とても完成度の高いものだと感じました。特に、せりふや曲の間などすべての間合いに全く無駄がなく、常にストーリーがさらさらと流れながら、ひとつの大きな物語として完成しているのです。 ニューヨークにまた来るときは、きっとNederlander Theatreに足を運ぶことでしょう。
そういえば、この日、記録的な大雨となった嵐の中見に行き、すっかり劇場外で写真を撮るのを忘れてました...