1990年前半に、アメリカにしばらく滞在する機会に恵まれ、それまでほとんど熱心に聴くことがなかったアメリカのPOPミュージックに自然と触れることになりました。アメリカはよく自動車社会という表現をされますが、おそらくその影響もあってか、ラジオ局がほんとうにたくさんあります。私がいたワシントン州のとある町でも、FM曲がおよそ15局はありました。
各局はたいていの場合は音楽ジャンルに特化しており、友人やルームメイトと車で出かけたり部屋でくつろいでいるときなどは、TOP40と呼ばれる最新ヒットチャートをかけてくれる局か80年代のPOPミュージックの局をかけていました。
そんな中で出会った曲のひとつが、Cindi Lauperの「Time After Time」でした。
Cindiはとても個性的な声と歌い方をする人で、それで記憶に残るということもあったのですが、純粋にメロディーラインと歌詞にぐぐっと惹かれるものがあったのです。
そのうち、たまたま観た映画のなかで、この「Time After Time」が使われており、この映画もとても楽しい、いい映画だったこともあって、ますます好きな曲になっていったのでした。
その映画は「Strictly Ballroom」(邦題は「ダンシングヒーロー」)で、オーストラリアの社交ダンスにおける風雲児の話です。自分のスタイルを、社交ダンス会の重鎮たちが認めてくれず、それでも自分のやりたいダンスを目指そうとする主人公に、ダンス初心者の女性が一緒にダンスを習い、一緒に大会に出る、というストーリーで、二人がダンスの練習をしながら惹かれあっていくシーンで、この曲は流れます。実際には、歌っているのはCindiではなく、この女性俳優さんでした。(のちのち、このことにははっと気づきました。(^^ゞ)
ときどき、Cindiの「Time After Time」をラジオなどで耳にすると、ついつい一緒に歌ってしまうようになっていて、お気に入りのひとつでした。その後、大学を卒業して日本に戻ったのですが、あるときCDやさんをうろうろしていて視聴したボサノバのアルバムに、「Time After Time」が冒頭に入っていて、懐かしい曲にうれしくなったのと同時に、アメリカ滞在中のいい思い出が浮かんできたのでした。(このあたり、まさにこの曲の歌詞の内容と少しかぶっています。)
迷うことなくCDを購入し、いまでも大のお気に入りになっています。
Tribute to Antonio Carlos Jobim
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私もiPod mini ユーザで、こういったお気に入りの曲を入れているのですが、このiPodと連動しているiTunesのダウンロードサービスがかなりの曲者(?)です。
あるとき、iTunesMusicStore(iTMS)のトップで、「生まれ来る子供たちのために」というオフコースのナンバーのカバーをMr.Childrenが歌っているのが出ていたのですが、これをきっかけに、オフコースのカバー曲というのを検索で探してみたのです。すると、意外と結構あるんですね。驚いたのは、この人がこんな風にカバーしている、というのもそうなのですが、いとも簡単に見つけられてしまうことでした。曲名をいれて検索するだけですから。
しかも、iTMSでは、リストアップされた曲の視聴ができるので、カバー曲がどんな風になっているのかがイメージできるのです。
そこで、はたと思ったのでした。そうだ、「Time After TIme」はどうだろう?
早速検索すると、あるわあるわ、かなりの数でヒットしていました。
実際には、「Time After Time」という曲名で、いくつか違う曲があり、とくにジャズボーカルのナンバーにもあって、検索結果のなかにそれが多く含まれていました。
そこで、片っ端から視聴しながら、Cindi版の「Time After Time」を見つけていったのでした。
結局20曲くらいあったのですが、視聴の結果、「これ、よさそう!」というのに絞り、17曲分をダウンロード購入し、しめて2600円也。
その中で、ひとまず現時点でさらに気に入ったものをまとめてヘビーローテーションになったものがあります。
Time After Time / by 3 pm
すこしアップテンポで、メロディーラインをうまくアレンジしてあったり、コーラスが心地よく入っているのがとてもいい。これ、このままマーチングバンドアレンジをやりたい。
Time After Time / Bonnie Jensen
ピアノとボーカルだけの、しっとりとしたバラード。聞いていると涙が出てきそうになる歌声です。iTMSではジャズのジャンルになっていました。
Time After Time / Charlie Moreno
低めの男性ボーカルで、エレキベースの伴奏がかなりシブい。こちらもジャズに分類されていました。
Time After Time / A Voice of Japan
亀渕友香率いるゴスペルクワイヤーグループのナンバーでした。ぱっと聞いた感じ、日本のボーカルグループとは思えず、しかも6/8のリズムにアレンジされています。
上記以外にも、槇原敬之がカバーしてたりします。
しかし、残念ながらCindi自身のダウンロードはiTMSではできませんでした。
Sony系のレーベルなので、さすがにNGのようです。
iTMS、他のダウンロードサービスもそうですが、こうしたこだわりの音源収集にはこれからもとても役立ちそうで、ユーザが爆発的に増えていると聞くとなるほど、と思える体験でした。